5-43.昭和12年・東京市立第二中学卒業アルバム ← ・ → |
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小学校の卒業アルバムは、先の【55.昭和8年・アルバム】で紹介しておりますが、中学校時代の卒業アルバムも出てきました。 当時伯父が通っていたのは、東京市立第二中学校(現東京都立上野高校)と言う学校で、13歳から17歳の五年制の学校です。 小学校とは違って結構厚みのあるアルバムで、表紙には【2597】という皇紀の年号が入り、中表紙には【卒業記念寫眞帖】と書かれています。 40頁以上にわたるアルバムで、各ページの間には薄い半紙が挿入されているという立派な体裁です。 掲載された写真の点数も非常に多く、卒業生にとっては思い出深いアルバムだった事が判ります。 また、このアルバムに掲載されている写真の中には、伯父が撮影したものも結構あるようで、この頃は学校でも生徒の写真等もかなり活用していたそうです。 伯父も何十年振りで目にしたようで、目を細めて先生の事や級友たちの名前など、いろいろと説明をしてくれました。 中を見ますと、先生方の集合写真や、寄せ書きが入った各クラス毎の写真は当然ながら、校長室や教務室などの様子。 【授業】というタイトルでは、教室での授業風景から科学室での実験の様子。 【学校生活】では、野球やテニス、水泳やスキーに相撲といった体育や、運動会の写真の数々に混ざって、軍事演習や防災演習などもたくさんあります。 【校舎点描】には、工作室や図書室、そして標本室や銃器室といった写真もあります。 【吾等のグループ】では今で言うクラブのようですが、野球部や、相撲部といったグループ以外に、蹴球部や籠球部といった文字が見えます。 これはサッカー部とバスケット部のことでしょうか? また気象観測部や吟詠部、鳩信部といった今ではあまり聞かないようなクラブもあったようです。 これ以外にも【憶ひ出】と題して、修学旅行やバス旅行の写真。 そして【環境】としては、上野の博物館や美術館、西郷隆盛像や寛永寺五重塔などの建造物などの写真もあり、とても内容の濃い卒業アルバムになっています。 いずれにしましても、70年以上も前の時代に、中学校でこうした卒業アルバムを作成している事が驚きです。 |
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