昭和からの贈りもの 第4章昭和9年〜12年 東京市立第2中学校時代の記録 後編

 5-30.昭和10年・軍事演習   ・ 


軍事演習/昭和10年

上の写真は、【軍事演習】の時の記念写真のようですが、なんと中学生が手にしているのは銃です。
最初は、銃を手にしている写真なので、伯父が軍隊に入隊した時の写真かと思ったのですが、よく見ますと皆さん顔が童顔です。
また軍隊でネクタイ姿は変ですし、よく見るとし、前述の【昭和10年・修学旅行 龍田丸】の時と同じ制服のようです。
伯父にも確認しましたら、確かに中学校時代に何度か実施した【軍事演習】の時の記念写真との事でした。


銃には蓋のようなものがされてはいますが、それでも17歳の少年たちが銃を手にしているという、こうした写真を見ますと、つくづく時代の差を感じてしまいます。
と同時に、平和な現代の大切さを感じます。

が、既にこの頃から、五年生中学校での【軍事教練】という科目が設けられていたようで、伯父たちからしても、こうした訓練は当たり前の事だったそうです。

この【軍事教練】とは、現役の将校が各学校に赴任し、教科の一貫の中でさまざまな軍事に関する指導をするといったもので、大正14年に発令されたものの、当初は反対もあったようです。
その後、軍事態勢が濃くなるにつれ、各学校でも受け入れていったようですが、中には相当厳しい訓練もあったそうです。

生徒さんの表情を見ますと、緊張で硬くなっているような面持ちの生徒がいれば、にこやかな顔の生徒も見えます。
そして伯父はどんな表情?と見ましたら、2列目左から四番目で、元気そうな笑顔で微笑んでいます。


「教官の階級章を見ると年配の方が少佐で若い方は准尉のようだな・・・」
と伯父は申していましたが、一緒に写っている年配の方は比較的階級が上の方のようで、手にはサーベルを持っているようです。

それにしても、軍事教練だけあって、かなり怖そうな教官のようです。
こうした方が現在の学校教育の現場を見たら、なんと言うのでしょうか?


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