昭和からの贈りもの 第4章昭和9年〜12年 東京市立第2中学校時代の記録 後編

 5-25.昭和10年・谷中の猫や犬   ・ 


自宅塀の猫/昭和10年

現在、上野桜木から谷中にかけての界隈は、猫が多い寺街としても知られており、別名【猫町】と言われたり、【谷中の猫マップ】等も出ているようですが、どうやら猫が多いのは今だけではなく、昔から多かったようです。

写っている猫は、家で飼っていたわけではなく、いわゆる野良猫のようですが、一応可愛がっていた事から、塀の上でくつろいだりしているようで、猫たちも伯父たち同様に縁側や高い所が好きだったようです。

今でこそ飼い猫たちはキャットフード等で育つ時代ですが、昭和初期の頃は猫を飼っている家も今のように多くはなく、猫の餌と言えば残飯が中心だったそうです。

それこそ残飯も少ない時代だった事から、猫にも野性味があって、
《ねずみや小鳥を口にくわえた猫》
はよく見かけたそうです。

そうしてみると、右上の猫など、今の都会の猫よりも、精悍な顔つきにも見えてきます。

また右2枚目の写真はかなりアップの写真です。
当時のカメラはズームはありませんでしたので、だいぶ近づいて撮ったのでしょうね。
確かに猫もカメラ目線です!


近所の犬・自宅前

また犬の写真もありますが、こちらは野良犬ではなく、ちゃんとした飼い犬だったそうですが、なんとも言えないような表情をしています。

飼い犬と言っても現在のような多種に渡る犬ではなく、日本の犬や中国の犬等が中心で、主に小型犬が多く、【昭和6年・狆・言問通り】にも狆が写っています。


今と違って飼っているお宅もさほど多くは無かったようですが、上野公園では犬の博覧会も開かれ、少しずつペットとして犬を飼う家も増えてきたようです。。

それにしても、犬や猫の写真を惜しげもなく撮っているのは、伯父らしいです。





谷中界隈の猫/昭和10年

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