昭和からの贈りもの 第4章昭和9年〜12年 東京市立第2中学校時代の記録 後編

 5-5.昭和9年・横須賀港   ・ 


横須賀港/昭和9年

伯父の写真の中には今では考えられないような写真もあります。

上の写真もその一枚で、中学時代に何処かに行った際の記念撮影に見えますが、子供たちは制服姿で両肩に何かを背負い、足元はゲートル(脚胖)を巻いているようです。
よく見ますと背景にはロープも見えますので、港のようです。
大きな船の前での記念撮影と思えますが、更に船を見ますと高く上に突き出たものは、【機関銃】というか、【高射砲】のようにも見え、その数も二つほど見えます。
つまり軍艦の前での記念撮影のようです。

「あ〜これは横須賀だったかなぁ〜。中学時代は軍事演習があったし、こうした軍関係施設の見学にも時々いった・・・。」
と普通に話してくれましたが、15、6歳の中学生が、こうして普通に軍関係の船等に接することがあった事に、ある種の衝撃を受けました。
と同時に、こういう事が、戦前は普通の事だったという事実に、平和の大切さを改めて痛感しました。


下は昭和9年11月18日撮影の伯父です。
この第二中学校の制服は、詰襟ではなく背広のような上着にネクタイが特徴だったそうですが、この時も足元はゲートルです。
この頃から各方面で制服にはゲートルが用いられてきた時代で、郵便局員や消防士等も足元はゲートルを巻いていたとの事です。


東京私立第二中学校制服/昭和9年

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