6-40.昭和16年・戦場からの手紙 ← ・ → |
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昭和16年・出征記念で、兄弟の中でいち早く出征した次男からの手紙が何通かありました。 上はその中の1枚ですが、切手の部分には《軍事郵便》という印と《検閲》というスタンプが押されています。 この頃の郵便は、こうした検閲が行われていたようで、中には検閲で引っかかり、墨で黒く塗られたりもしたそうです。 宛先は上野桜木の4男の弟ですが、差出人住所は《中支派遣阿南部隊氣付 物部○隊 會田部隊 児玉隊》と書かれていますが、中支派遣とは、中国方面への派遣部隊の事のようです。 昭和16年7月1日に手紙が着いたようですが、次男はこの年4月に入営して直ぐに中国に渡ったそうです。 文面を見ますと、4男の弟が、出征した兄に手紙を書いた返信のようですが、 『御便難有得』 『今のところ何も不自由して居ません』 『こちらは毎日百度を越しています』 などといった記述もあります。 《難有得》とは昔の《有難う》という記述でしょうか? 百度とは華氏のことですので、摂氏38度と言う事になりますが、確かに暑そうです。 こちらの写真は、上野桜木の自宅前の次男ですが、階級章が★ひとつですので、入隊した頃のようです。 とするとこの写真を撮った後に中国に向かったのでしょう。 他にも次男からの手紙が何通かありましたが、下は昭和18年12月10日着信となっています。 文面には 『こちらでは暑さが今でも厳しいです。内地ではもう秋も深まり、冬のおとずれと共に・・・』となっていますので、差し出したときは秋だったものの、着信まで2ヶ月近くかかっていたのかも知れません。 【戦場からの手紙】という映画やドラマがありましたが、こうした手紙もまさに戦場からの手紙ですね。 |
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