昭和からの贈りもの 第6章 昭和13年〜16年 東京外国語学校時代の記録

 6-49.昭和16年12月・学徒出陣・繰上げ卒業   ・ 


東京外国語学校卒業

学校の門の前で、にこやかに笑う集合写真がありましたが、これは東京外国語学校を卒業した時のもので、卒業式が行われたのは12月です。
手には卒業証書が入っていると思われる筒を持っていますが、皆さん揃ってオーバー姿です。

卒業といえば通常は3月ですが、この当時政府より発せられたのが《学徒出陣令》で、これによって卒業が3ヶ月早まりました。

長引く戦局の中、この12月8日の真珠湾攻撃から太平洋戦争も始まり、兵員不足を補う為に実施されたのが、《学徒出陣》です。
伯父たち大学生や専門学校生などは、本来26歳まで徴兵を猶予されていましたが、それを撤廃し、更に就業年月を3ヶ月短縮して12月卒業とし、直ぐに徴兵検査の後、2月に入隊する事と新たに定められます。
更に翌年昭和17年には、6ヶ月短縮され、卒業が9月、入隊が10月となり、昭和18年には更に拡大されます。

こうしたことから、伯父たちは予定より3ヶ月早い昭和16年12月の卒業となりましたが、この卒業式を前に徴用された同級生も何人かいたそうです。


東京外国語学校時代の軍事教練教官

こちらには、登山や三原山などでいつも一緒にいた同級生が写りますが、風呂敷やかばんを手にしています。
撮影は大学の正門ですが、当時の校舎は仮の校舎でしたので、校舎も仮校舎らしく平屋です。
場所は皇居平川門の前で、現在毎日新聞社のビルが建っているところで、一ツ橋の近辺です。


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