昭和元年の出来事 1926 (大正12-15)← ・ →
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【12月】
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25 |
大正15年12月25日に大正天皇が葉山御用邸において48歳で崩御され、【昭和】という新しい年号が始まりました。 |
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年末の崩御ということで、昭和元年は1週間ほどでしたが、【昭和】という年号に関しては、枢密顧問官によって会議を開き一度は【光文】と決まったものの、正式発表前に東京日日新聞が『新元号は光文である』と号外を出したことから、急遽【昭和】に切り替えられたとも言われています。
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真偽の程は定かではありませんが、この時の報道は【昭和の大誤報】とも言われています。 |
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この報を受け内務省からは歌舞音曲の停止が言い渡されます。
園芸娯楽放送は中止となり、浅草をはじめ繁華街などの色とりどりの看板類は全て取り払われて喪章付きの日の丸がが掲げられ、また繁華街では喪章売りが立つようになります。 |
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26 |
逓信省では大正天皇崩御を受けて年賀状の扱いを取りやめにします。
但し、26日以前に投函されたものは、そのまま元旦に配達される事となります。 |
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31 |
新天皇陛下は古くから続いていた大奥のお局制度廃止を決定します。
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1-1.大正天皇/ウィキぺディア |
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大正15年から昭和初期にかけて、東京や横浜で建設が相次いだのが【同潤会アパート】です。
関東大震災後に財団法人同潤会が発足し、災害に強い建物をと言うことで鉄筋コンクリートの集合住宅が注目され、東京では大正15年8月に初めて向島に建ちます。
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最近まで(2003年)表参道にあった【同潤会青山アパート】も、大正14年11月に第一期工事に着工し、この年9月に竣工し、翌年昭和2年には第二期が竣工し、地上3階建て10棟の大規模アパートとなりました。
(写真1-2) |
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当時から人気のアパートでしたが、老朽化から取り壊され現在は表参道ヒルズに変わりました。
因みにかつての同潤会青山アパートのイメージを損なわないよいうと、表参道ヒルズは地上6階に抑えられ、かつてのアパートも1棟だけリニューアルされ残っています。 |
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この後も本所、麹町、小石川、代官山、横浜市山下町など下町から山の手地区と広範囲で建設されますが、この同潤会アパートは、電気やガス水道及び水洗トイレやダストシューターなども完備した、昭和初期の近代建築物という事から中間層庶民の羨望の的となり、中には100倍近い倍率のアパートもありました。 |
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こうした歴史的価値も認められていたアパートも、老朽化もあって次々と姿を消し、現在も居住しているアパートは、台東区東上野のみとなりました。 |
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右は平成19年時点の台東区の【同潤会上野下アパート】で、昭和4年建築のものです。
鉄筋コンクリート4階建で、現在も住民が住んでいますが、いずれ建て替えが予定されているようです。(写真1-3)
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1-2.昭和初めの同潤会アパート/ウィキぺディア
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1-3.現存する東上野同潤会アパート/平成19年
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次の写真は昭和3年建築の同潤会三ノ輪アパートメントです。
こちらも鉄筋コンクリート4階建で、2棟構成でしたが、残念ながらこちらのアパートは平成21年の秋に解体されました。(写真1-4)
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1-4.同潤会三ノ輪アパート・平成20年5月 |
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尚、東上野の同潤会アパートの反対にかつて建っていた長屋が【噺家長屋】と言われていたそうです。
八代目林家正蔵らが住んでいた事からそういわれたようで、現在はこの長屋は現存していませんが、この同潤会近辺の東上野界隈には昭和初期の長屋が残っており、古きよき時代の面影が漂う地域でもあります。(写真1-5) |
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1-5.昭和初期の面影の長屋住宅 |
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この年日本で初めて登場したものに、【シャンプー】があります。
葛原工業所から発売された【純植物性シャンプー モダン髪洗粉】がそうです。
当時は今のように毎日洗髪する習慣などはなく、庶民は月に2回〜3回程度しか洗髪しなかったようです。
また髪を洗う時は石鹸を用いていましたが、モダン髪洗粉はオリーブ油とココナッツ油を主原料とし、女性の黒髪を守るというコンセプトで発売されます。
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当時髪洗粉は高級品とされ、販売価格も2回分で十銭でした。
右は【モダン髪洗粉本舗】の店舗が写る当時の宣伝絵葉書ですが、モデルはこの頃人気絶頂の田中絹代さんです。(写真1-6) |
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尚、シャンプーという言葉が定着したのは、パーマネント流行と共に商品名として登場した【花王シャンプー】の昭和7年頃からです。
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1-6.純植物性シャンプーモダン髪洗粉/絵葉書 |
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昭和元年から昭和2年頃にかけて流行したものの中に丸い馬蹄型の肘掛け椅子があります。
伯父の家にもその肘掛椅子で寛いでいる写真が何枚かありましたが、見るからに素敵なデザインの椅子で、今流行してもおかしくない程です。(写真1-7)
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1-7.丸い馬蹄型の肘掛け椅子 |
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この年の流行 |
童謡 |
からたちの花、この道 |
玩具・遊び |
ゼンマイ玩具「ノンキナトウサン」・「ブランコ」、めんこ、ベーゴマ、ビー球遊び、アウト鬼、水雷艇長 |
流行歌 |
酋長の娘 |
舞台・映画 |
足にさはった女、日輪、黄金狂時代(チャップリン) |
文化・社会 |
同潤会アパート、曲馬団、文化住宅 |
言葉 |
モダーン、シャン、アッパッパ(女性用夏衣)、ラジオ(無線=無銭)、赤、ハンドバッグ |
モノ
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ラジオ、ビタミンブーム、みつ豆、玄米パン、サクラクレパス、キンカン・大正15、明治ミルクチョコレート |
本 |
現代日本文学全集(円本の最初)、伊豆の踊り子(川端康成)、鳴門秘帖(吉川英二) |
この年の初登場 |
燕尾服、美容ランプ、ホームカレー(ハウス)、高野フルーツパーラー、モダン髪洗粉、ドレメ(ドレスメーカー学院)・大正15 |
この年の物価 |
天丼60銭、カレー10銭、そば10銭、コロッケ2銭、コーヒー10銭、牛乳6銭、扇風機37円、新聞1ヶ月1円、葉書1銭5厘、封書3銭、サラリーマン大卒(早慶)初任給80円、サラリーマン中卒初任給35円、市営アパート家賃6畳2間20円、メンコ5〜10枚1銭 |
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